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14

4月

2010

幽玄の舞 取香三番叟

「翁」舞いと謡い 「翁」舞いと謡い

 江戸時代より伝承されている取香三番叟(とっこうさんばそう)が、3日、地区の側高神社に桜の訪れとともに奉納されました。

 
 14時、祭礼はまず共同利用施設から万燈を先導に行列しながら側高神社へ向かいました。道中、囃子とともに何度か立ち止まって若者2人が「万燈振り」を行います。3m余の竹棒と竹ひごを組んで仕上げた万燈は、オレンジ・ピンク・緑・紫・黄緑・青と目に鮮やかな彩色。振り手が足を跳ね上げて素早く万燈を振ると、一瞬、満開の桜をしのぐきらびやかさが辺り一帯に漂いました。行列を追いかける子どもたちが振りをまねて声を上げ興じ、地区を2分する空港通りを絶え間なく通る車は速度をゆるめて見つめていました。


 15時、行列は「側高神社」に到着しました。拝殿頭上には、「側鷹神社」の表示。その昔、同地区では鷹は神聖な鳥として捕らえることを禁じられていたことのなごりと伝えられています。


 拝殿で、神主により神事が厳かに行われた後、いよいよ太鼓を合図に三番叟の奉納です。この日のために猛練習を重ねた3人の若者が「千歳」(せんざい)、「翁」(おきな)、「三番叟」に扮して次々に登場しました。まず、最初に登場したのは「千歳」。面はつけず冠をかぶって舞う「千歳」は、行く末が広がっている子供を表しているといいます。今年がよい年になるようにとの思いを込めて、一際大きな声を張り上げ「千歳の舞」を演じきりました。


 次に「翁」が登場。翁は、白いひげをたくわえた肌色の面をつけ、千歳、三番叟と同じ、手には末広がりの扇を持ち「翁の舞」を演じます。面をはずした素顔には、鼻筋に白粉化粧があります。


 最後に登場する「三番叟」は、はじめ面をつけずに舞います。千歳の舞、翁の舞が落ち着いた動きであったのに対し、その舞は、激しく足音高く素早く動くので、滑稽味のある動きなのですが、観客は息をのみ、圧倒され、感動していました。そこに千歳が再登場し、「三番叟と千歳のかけあい」が始まりました。「とうとう たらりたらり ららりんどう…天下太平、五穀豊穣…」と口上を述べたあと、三番叟は、千歳から鈴を渡され「鈴の舞」を演じます。力強い激しい動きの舞のため、かすかに息があがっている舞い手の気配が伝わります。


 みごとな幽玄の世界の演出にカメラのシャッターを切る音が絶え間なく続きました。

華やかな万燈振り 華やかな万燈振り