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4月

2010

甦る昭和初期の街並み!松井天山「鳥瞰図」展 15日から一般公開

 これまでも折に触れ、学校図書館による企画展を行い、地域の人たちに親しまれてきた、成田山教育財団成田高等学校・同付属中学校で、この度『企画展Ⅲ松井天山「鳥瞰図」展』を開催することになりました。 すっかり遠くなってしまった昭和初期の成田の街並みですが、「この『鳥瞰図』により古くから門前町成田をご存じの方々の心に当時の思い出が甦るのではないか」との思いで、同校図書館長の高橋春樹先生が企画したもので、展示作品には細かい描写が多いことから公開に際して天眼鏡まで用意されています。


 「鳥瞰図」は、地図の技法および図法の一種で、上空から斜めに見下ろし、鳥の目で見たかのように描いた絵地図をいいます。絵師・松井天山はその鳥瞰図の第一人者と目されます。


 彼によって描かれた県下の地図は30点ほどあり、どれも昭和初期(昭和2~13年)の街並みです。明治・大正のたたずまいを残す鳥瞰図には、鉄道・駅・道路・主な官公署・学校・病院・工場・商店などが細かく表示されています。白黒で刷られ「商工案内図」として利用されたものが多いのですが、今回展示された「成田山新勝寺鳥瞰図」は、他の地図とは明らかに趣を変え、色刷りを採用した豪華な仕上げになっています。観光案内図として制作されたと思われるこの鳥瞰図が描かれたのは昭和13年、時あたかも成田山開基一千年祭を記念した各種の行事が執り行われた年です。


 図の上部左には、成田山中興第十八世荒木照定山主の尊像、右下には「成田山開基一千年祭を敬迎して」と題した成田山縁起の大略が細かく記されています。中央下には「成田町附近交通圖」が表示され、省線(現在のJR)、社線(現在の京成電鉄)が書き込まれ、既に観光案内図としてのスタイルに仕上がっています。


 成田山内はデフォルメされ図の中央に本殿が鎮座しています。境内地の諸堂巡りや山内の庭園散策にと、参詣客におおいに利用されたと思われます。


 ほぼ全ての建造物・商店には名称が付されているので、現在の街並みや商店街と比較対照するのに好都合であり、古いがゆえにその歴史が醸し出す風趣が感じられます。
 特に興味深いのは、門前から成田駅を経由して宗吾霊堂まで走り、チンチン電車の愛称で親しまれた「成宗電車」の軌道部分が、道路になっており、そこに自動車やバスが描かれていることです。「当時、成田山への参詣客が宗吾霊堂に流れてしまうことを嫌がり、猛反対していた成田町の商店主を気遣い、電車の軌道を表現できなかった事情があるのでしょう」と高橋館長は解説してくれました。


 また、成田中学校(現・成田高校)の北側には昭和5年に建造された展望台・通天閣がそびえています。その後、戦争が激化するにいたって、爆撃の標的になるのを恐れ、取り壊されたといいます。


 今回は、この他に千葉、四街道、佐倉、佐原、八街の鳥瞰図なども展示されています。 一般公開は、15日(木)~22日(木)の9時~15時(土曜9時~12時、日曜休)です。