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薬剤師で調剤薬局のサポートコンサルティングをしながら骨董買取専門店「楽刻(らくと)」を経営する山村憲司さん(富里市根木名在住)が、薬剤師小説「調剤薬局『ひなた』」(文芸社、945円)を出版しました。
小説は、調剤薬局の女性薬剤師「日向さん」と、だまって苦い薬を飲む女の子「沙織ちゃん」との心の交流を通して話が進みます。薬の情報を丁寧に説明したり、患者のために処方内容を医師に問い合わせたりする日向さんを通し、著者の考える薬剤師の理想像が描かれます。日向さんと患者がコミュニケーションをとる場面などが多く描かれるなかで、患者との正しい向き合い方が示されます。
山村さんはこれまでに、大学の薬学部1年生用テキストを再編集した『薬剤師の患者学』(文芸社、1260円)と、薬局・病院を立て直す主人公のスーパーコンサルタント活動を通して、経営面から医療倫理を問う薬剤師小説『調剤薬局アラカルト』(同、1150円)を出版し、今回で3冊目になります。
北海道医療大学薬学部を卒業後、製薬会社の営業や、薬局、病院の薬剤師を経験する中で多くの戸惑いを感じた山村さんは、これまでの薬剤師は、医療倫理を学ぶ機会が少なく、あいまいなままだったという問題に突き当たりました。 自分が医療現場に出た15年位前からは、病院が診療や治療を行い、調剤薬局が薬を処方するという医薬分業がどんどん進み、「薬局、薬剤師の数がどんどん増えましたが、医療の基本であるモラル(精神性)が追い付いていない」と危機感さえ感じました。
医療技術の高度化、医薬分業の進展等に伴う医薬品の安全使用や薬害の防止といった社会的要請に応えるため、2年前、薬剤師の修業年限が4年制から6年制に変更され、卒業生を輩出していません。修業内容が増える中、『医療倫理』のようなモラルを学ぶ機会は益々限られてしまいます。
「医薬分離は、薬剤師の仕事を見直す絶好の機会なのです。特に、調剤薬局に勤務する薬剤師は、直接患者さんと接する機会が増え、分かりやすく説明したり、疑問に丁寧に答えたりしなければならないのですから確かな倫理観を身に付ける必要があります」と力を込めて理想の薬剤師像と出版のきっかけを語ります。
大学の恩師、江口正尊先生に随時相談できたことと、薬剤師としての現場を離れ、他職種(骨董売買)で専門性を発揮する人たちと触れ合い、人間性が磨かれた自信が「3部作完成の要因」と、自身の貴重な体験を強調しました。
最後に「薬剤師だけでなく、ほかの医療関係者や一般の人にも読んでほしい。薬剤師が医療倫理を見直すのに当たり、この3部作が何らかの力になれば」と話しました。
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