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30

1月

2011

歴史に埋もれた長沼文化

愛宕神社と婦人消防の皆さん 愛宕神社と婦人消防の皆さん

【火伏せの神 愛宕神社】
 「成田市にも観光バスを連ねて参拝客がくる神社があるのを知ってる?」と聞くと、「神社ではなくてお寺のことでしょう?成田山とか宗吾霊堂とかの」とたいていの人は答える。それほど地元成田では知られていないのである。
 「お愛宕さま」と呼ばれる宝田の愛宕神社は前回の医王寺とともに「火伏せ(防火)の神」として古くから信仰を集め、祭礼には市外や県外からもたくさんの観光バスを連ねて参拝者がやってくる。
 千葉市のある町内会もその常連で、「第二次世界大戦の空襲で千葉の街は焼け野原になったが、その地区では隣が全焼したにも関わらず、ある家には火が移らず、そこからあとは類焼を免れた。その家には成田の愛宕神社の火伏せの札が貼ってあった。それからは、町内で講を募り、毎年参拝するようになった」と、以前の『成田エリア新聞』で読んだことがある。
 神社のある宝田地区にはお愛宕さまにまつわる様々なしきたりがある。
 宝田の住民は祭礼の月だけでなく毎月の24日には酒を飲まないそうだ。昔、村を挙げて断酒の願をかけたのが今に続いているらしい。今でも固く断酒を守るので、この地区では結婚式も葬式もその日は避けるとのことだ。
 資料をいただいたうえにごちそうになったYさん宅では、祭礼のときは豆の入らない「白い赤飯」(おこわ?)を炊くしきたりになっているとのことだった。
 愛宕神社は富士山の見える場所に建てられていることが多いそうだ。この山からもかつては見えたのであろうが、今は鎮守の森が茂り、木々に邪魔されて展望はできない。しかしその森が荘厳な雰囲気を醸し出している。
(成田市玉造 田村 桓夫)