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20

2月

2011

歴史に埋もれた長沼文化

昔の湖畔を思わせる丘の上に立つ福田教会 昔の湖畔を思わせる丘の上に立つ福田教会

【千葉県最初の教会①】
○千葉県で最初にできたキリスト教会
 下福田の福田教会(日本聖公会)はこんなキャッチフレーズで語られることが多い。隣町の安食のメソヂスト教会は長い中断があって昭和61年に再建されたが、最初の設立はそちらの方が数年古いので、福田教会は「その宗派で一番古い」という意味であろう。
 教会を取材したとき、そこに古いパンフレットが残っていたので読んでみると「福田聖公会は1887(明治20)年、千葉県で最初の聖公会の教会として設立。千葉県内各所への伝道の拠点となった。千葉市に教会ができたときも、最初の牧師はこの福田教会から派遣された。創設者飯田栄次郎の家には、勝海舟の揮毫になるヨハネ3章16節『神愛世其至以其獨生之子賜之 俾凡信之者免沈淪而得永世』が掛け軸になって伝世されている」とあった。
 勝海舟とは幕末に活躍したあの人物である。キリスト教の信者ではなかったが、栄次郎が幕臣だったとき師弟の関係にあった。
 栄次郎が下福田に婿入りしたあと西南戦争が勃発し、栄次郎は自分も軍に入隊しようと上京した。だが、信者の兄に戦争の愚かさを諭され、自分も洗礼を受けたという。
 それにしても下福田は小さな集落である。当時人口の多い町が近くにあったわけでもないのにどうしてここに教会を建てたのであろうか。栄次郎がこの地で布教して信者が増えたことは無論であるが、もう一つの理由はやはり「長沼」だと思う。建てられたところは長沼の湖畔に近かった。
 創立当時の長沼は利根川につながっていて、教会のすぐ近くに船着き場があった。ここから千葉県の各所に伝道に出向いていったのであろう。
(成田市玉造 田村 桓夫)