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12

6月

2011

ピープル 渡邊義本さん(63)

『西和泉と六諭衍義大意』の碑と渡邊さん 『西和泉と六諭衍義大意』の碑と渡邊さん

かつては、30数戸がのんびり暮らしていた成田市西和泉地区。地区全体が、成田空港A滑走路の飛行コース直下となってしまい、騒音を逃れて住居移転の道を選ぶ家が徐々に出、いっときは17戸にまで減少してしまいました。
 渡邊義本さんの住む西和泉地区は、A滑走路先端から北側約5㎞の位置にあり、航空機の騒音の著しい集落です。この騒音下にどう生きるかという難題と常に向き合い、「地区に残るにしろ、離れるにしろ、次の世代に何を残せるか。私たちの責任は大きいです。空港を受け入れた以上、単に被害者意識で生活するのではなく、共生という意識で行動したいです。成田市が提案した『なりた百然郷構想』には、いずみ聖地公園のほか、西和泉地区のまだまだ整備すべきことが盛り込まれています。後の世代に誇れる生き方をしたい」と決意を語ります。
 渡邊さんは、先人が守ってきた郷土を知ろう、先人に学ぼうと調査を始めるうち、地区の歴史に次第に魅了されるようになりました。『和泉の郷ふるさと歴史探訪~成田市共生大綱~』(平成14年)、続いて、『和泉の郷ふるさと歴史探訪~今に残る人々の想い~』(平成16年)にその思いをまとめ出版しています。
 また、後世に残り続ける『石』に魅せられた渡邊さんは、村に残る江戸期の教訓書として知られている六諭衍義大意(りくゆえんぎたいい)の6箇条を、東和泉城の一角と伝承される西和泉地先に、『西和泉と六諭衍義大意』の碑(写真)として建立することに奔走しました。さらに、平成20年には、『道路元標を追って~千葉県の北部(北総)地域を歩いて~』を出版しました。
 本年3月、幕を閉じた中郷小学校の統合では、閉校記念碑設置の担当の一人として、地域・学校・児童の想いを託し「絆(きずな)と翔(はばたき)」と名付けたモニュメントの設置にも参画しました。