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22

7月

2011

石巻から公津の杜へ 新天地で洋菓子店をオープン

瓦礫の中で発見した製菓工場の時計が、今も時を刻んでいる 瓦礫の中で発見した製菓工場の時計が、今も時を刻んでいる

2日、公津の杜に洋菓子店「パティスリー シェ・ナリ」がオープンしました。
 オーナーの佐藤成利さん(44)は、都内で修業を積んだ後、フランスのニースに飛び、腕を磨いていました。そんな矢先、父親が倒れたため、生家のある宮城県石巻市雄勝町へ帰郷。120年余の歴史がある老舗「マルタカ製菓」の跡を継ぎ、以来、家業を盛り立ててきました。
 しかし、3月11日の東日本大震災。「『30年以内に大きな地震が来る確率は90%』と言われていたので、揺れがおさまる前に津波が来ると直感しました」と佐藤さん。幸いにも、すぐに家族8人揃い、車で山に逃げ一命を取りとめたものの、自宅も製菓工場も店も津波にのまれ、残ったのは工場のタイルだけでした。2日間、車で過ごし、たまたま一緒に被災した乳製品販売店の方が積んでいた商品や、流れてきた缶詰を口にしてしのぎ、流れていた重機で近所の人と瓦礫をどかして道を確保したそうです。人口4300人の小さな集落なので、自衛隊が到着するまで2日間かかりました。道路は寸断されていたため、船で避難所へ。そこで2日間過ごし、仙台から駆けつけ避難所を回って探し当ててくれた兄弟とともに避難所を後にしました。そして親戚を頼って、八街市へ転居することになりました。
 5月からは家を借り、家族で生活を始めたものの、決して楽な生活ではなく、早く自力で生活したいと開業を決意。八街からも通いやすく、「商売をするなら公津の杜が良い!」との親戚のすすめもあって、立地を見て即決したそうです。そこからは、トントンと話が進み、工務店、厨房機器、原材料の仕入れ先などを矢継ぎ早に決め、修業で訪れた「フランスの洋菓子屋さん」のイメージで店作りをしました。壁にはオランダの機器メーカーから送られた、世界中の人たちからの応援メッセージが書かれたパネルが掲げられています。
 また、温かく迎えてくれた八街市に恩返しできればと、特産のピーナッツを使ったチーズケーキ「ヤチマータ」を考案。煎って砕いた落花生を土台に混ぜ込むことで、落花生の香りとザクザクした食感を楽しめます。多くの人に食べてもらえるよう価格も200円に抑えました。さらに、東北を元気にしたいとの思いで製作、タマ・チャールズ・バンドの了承を得て、その歌とかけた「東北六県ロール(ロッケンロール)」(800円)も生クリームたっぷりで、おすすめです。
 まだまだ開業したばかりですが「今後も地元の物を使った洋菓子を考案して、皆様に愛され、息の長いお店にしたい」と意欲的です。死んだつもりで新天地で頑張りたいと佐藤さんは力強く話してくれました。 
▽成田市公津の杜2の15の13▽9時~19時
℡0476(33)7337