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五木寛之さん ~きのう・今日・あす~
21日、成田国際文化会館大ホールで「市史講座『成田の地名と歴史―大字別地域の事典―』刊行記念講演会」が開催されました。 講師に明治大学名誉教授・大塚初重さんと作家の五木寛之さんを迎え、会場を埋め尽くす855名が聴講しました。
今回刊行された『成田の地名と歴史―大字別地域の事典―』は、成田地域の歴史を大字単位、旧町村単位でまとめ、主な歴史上の人物、遺跡、施設等が50音順に掲載された事典で、地域の歴史を身近に感じることができるものです。
この事典の編集委員長であり、講演会の講師でもある成田市在住の大塚初重さんは、「~台地はかたる~」と題し、考古学の分野で注目されている市内の遺跡数カ所について、資料をもとに、発掘された石器・土器・石枕等が語る古代の様子を情熱的に語りました。遺跡ごとに考古学上の重要性が強調されると、多くの人がその資料に書き込みをしていました。
まとめで、地域の風土や特色を知り、郷土の持つ魅力に触れることができる『成田の地名と歴史―大字別地域の事典―』の刊行は、成田市の文化レベルの高さの証明にもなると力を込めて語りました。
続く、五木寛之さんの講演は、「~きのう・今日・あす~」という演題でした。「東日本大震災の被災者が苦しむ『ふるさと』喪失感は、今を生きる私たちに共通の思い」と話し始めると、会場のみなさんは、震災をはじめ、長い時間の中で、大きく変貌する自然の中で生きている現実を思い起こされたかのように、興味深く聴き入っていました。続いて、少年時代の自然に彩られた「ふるさと」の思い出話に加え、生活の場が移るごとに、人々と関わり、連帯感を味わった思いを、ふるさと感覚溢れる九州弁を交えて語りました。時々に、体験談を織り交ぜ、漢詩「…/骨を埋むる何ぞ墳墓の地を期せん/人間到る処青山有り」が引用されると、会場のみなさんは、新しく創られる「ふるさと」の思いを実感として受けとめていました。
まとめでは、演題の「~きのう・今日・あす~」という、大きな歴史の広がりを聴き手に意識させるかのように「私たちは、かつてなかった難しい時代を生きています。今の時代を古代と考える未来の人たちに、この時代をどのように生きたかと問われる覚悟で生きねばなりません」と語り、講演を閉じました。
聴講した石橋幸雄さんは「五木先生が話された『ふるさと』は、私たちを力づけるのはもちろん、被災地の人々へのエールのように響きました」と感動を語りました。
大塚初重さん ~台地はかたる~
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