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20

1月

2012

エリア再発見 六角堂の想い出

落語会場となった六角堂境内 落語会場となった六角堂境内

[落語を聴くタヌキ①]
 平成17年8月、六角堂で落語会が催されました。
 近所の若者が落語家になり、二つ目に昇進したのでそれを記念して、夏の夜に六角堂で「番町皿屋敷」の落語を掛けるという企画でした。その日は明るいうちから狭い境内に観客があふれました。
 時間になり暗くなると堂の階段にろうそくがともされ、階段の踊り場に座布団が敷かれ、ラジカセのテープの出囃子に乗って落語家が登場しました。
 私は会議の予定があったので落語のさわりだけ聴いてそこを出、公民館へと緑道を小走りに急ぎました。
 すると、向こうから尻尾の太い野良犬のようなものが近づいてきました。ニュータウンの緑道は照明が完備されていて夜でも明るく、近づいてくる動物の顔がはっきり見えて、私はそれを見て驚きました。それはタヌキでした。
 タヌキは子どものときから見慣れているので見まちがえることはありません。こんな街の中で会えてとてもうれしくなりました。
 驚かさないように気づかない振りをしてこれまでの歩調で歩くと、タヌキの方は私など眼中にないようで、やはり歩調を変えずに歩き道の真ん中で私とすれ違いました。
 私は、タヌキがどこに行こうとしているのか気になり、会議に遅れるのも覚悟で、きびすを返してタヌキの後を付いていきました。タヌキは私が通ってきた道を逆にたどって、とうとう六角堂の境内まできました。
(つづく) (成田市玉造 田村 桓夫)